北海道・道東の湧別町にも、少しずつ秋の気配が近づいてきました。
夏の暑さが続いたかと思えば、空気が急にひんやりする日も増えてきたこの頃。牧草地では、季節の移り変わりとともに「ひとのわ」もまた、確かな成長を見せています。

▲今回の計測では、体高118cm、体重340kg
春から比べると、身体つきにも変化が出てきました。乳母牛と一緒にのびのびと過ごしながら、牧草もしっかり食べています。目にも元気があり、草を食べる姿からは、夏の暑さを越えてひと息ついたような様子が感じられます。
そして今回、改めて気づいたのが「ひとのわ」の角。
以前の写真と見比べてみると、角がずいぶん立派になっています。

春にはまだ幼さの残っていた姿が、少しずつ大人の牛らしい姿へ。
写真を並べてみると、その変化がよく分かります。
牛は毎日見ていると、少しずつの変化にはなかなか気づきにくいものですが、こうして以前の姿と比べてみると、確実に成長していることを実感します。
一方で、牛を育てる難しさは、月齢を重ねればなくなるわけではありません。
以前、浜中町の日向牧場さまを訪れた際には、1歳前後の牛を群れに慣らしていく難しさについても話を伺いました。
群れに入ったことで体重が落ちる牛もいるそうで、そうした場合も、すぐに手を加えるのではなく、牛自身が群れの中で落ち着くまで様子を見ることがあるとのこと。
「ひとのわ」にとっても、これから成長していく中で、身体だけではなく、群れの中での過ごし方など、さまざまな経験が待っています。

牧草地の仕事も、秋になると次の季節へ向かって動き始めます。
2番牧草の収穫はまだ残っていますが、天候を見ながらの作業が続きます。雨が続けば作業を進められない一方、晴れ間が出れば一気に仕事を進めなければならない。北海道の牧草収穫は、天気との競争でもあります。
そんな中、今年のシルバーウィークには普段地元にいないメンバーが大集結!
いつもはなかなか手が回らない作業を手伝ってくれました。

牧場の仕事は、牛の世話だけではありません。
牧草を刈り、乾かし、収穫する。そして収穫が終われば、今度は来年の牧草を育てるための準備が始まります。
その一つが「曝気尿」の散布です。

曝気尿とは、家畜の尿や汚染水にポンプで空気を送り込んで発酵・処理したもの。
牧草地に散布することで、牧草が育つための養分となります。
有機で牧草を育てる我々にとって、こうした資源を無駄にせず、牧草地へ循環させていく取り組みは欠かせません。
牧草を刈り取った後のこの時期に散布し、土に養分を戻す。
秋の牧場では、目の前の収穫だけでなく、来年の牧草づくりもすでに始まっています。
今年の牧草を収穫して終わり、ではない。
牛が食べる牧草を育て、その牧草を牛が食べ、そしてまた次の牧草を育てる。
そんな循環の中で、グラスフェッド黒毛和牛「ひとのわ」は成長しています。

▲今年の有機JAS認証の審査の様子。毎年緊張の瞬間です。
牧草地の周りでは、少しずつ木々も色づき始めました。

秋が深まれば、湧別町にはまた厳しい冬がやってきます。
それでも、その先には来年の春と、新しい牧草の季節が待っています。
ひとのわが次の季節にどんな姿を見せてくれるのか。そして、その成長を支える牧草地がこれからどう変わっていくのか。
ひとのわの成長と牧場の仕事を、これからも一緒に見守っていただければと思います。



