北海道・道東の厳しい冬も、少しずつ表情を変え始めてきました。
朝晩はまだ氷点下の冷え込みが続くものの、日中には雪解け水が流れ、春の気配を感じる日も増えてきています。

▲小川にも雪解け水が流れ込み勢いを増しています
そんな季節の移ろいの中で、「ひとのわ」もまた、確かな成長を見せています。 他の牛たちとの距離が自然と縮まり、お散歩の際には“お姉さん牛”のもとへ駆け寄り、気持ちよさそうに毛づくろいをしてもらう姿が。

▲お姉さん牛に毛づくろいしてもらい気持ちよさそうな、ひとのわ
こうした日常の触れ合いが、ひとのわの社会性を育んでいるのでしょう。
また最近、ひとのわの身体にも変化が現れてきました。 そのうちの1つがツノが伸び始めた事です。顔つきもどこか大人びてきた印象が……。

▲体高もだいぶ高くなってきました
一般的には安全管理の観点から除角(ツノを処理すること)を行うケースが多いですが、アニマルウェルフェアの考え方を大切にし、ひとのわをはじめとする牛たちは除角せず自然な状態で育てています。
グラスフェッドという飼育スタイルにおいては、「牛本来の姿で生きること」を尊重する姿勢が含まれています。 ストレスの少ない環境が、健やかな成長、そして肉質にも影響していくと確信しております。

▲勢いよく牧草を食べるひとのわ
ひとのわの食事は、主に牧草。
育成期には栄養バランスの良い「2番草」を中心に与え、時折「1番草」を混ぜることで変化をつけています。
最近では食欲も旺盛で、夢中になって食べる姿が印象的です。
一方で、元気が有り余っているのか、柵を抜け出して遊び回るといった“事件”も。
急ごしらえの柵では物足りなかったようで、改めて牛の力強さを実感させられました。
そして今月の大きな出来事のひとつが、ひとのわの初回発情です。
落ち着きがなくなり、鳴く様子など、これまでとは明らかに異なる行動が見られました。
これは順調に成長している証でもあり、「子牛から牛へ」と進んでいる大切な節目です。 そんなひとのわの成長と歩みを合わせるように、3月下旬、雪の合間から新しい命が芽吹いて来ました。

▲蕗のとうが顔をだしてきました
まだ寒さは残るものの、確実に季節は進んでいます。
お散歩の時間も少しずつ増え、外の空気に触れるひとのわの表情はどこか軽やか。
とはいえ、力も強くなってきているため、安全のためにモクシ(鼻輪)を使いながらの管理は欠かせません。
自然の中でのびのびと育てることと、安全に管理すること。
そのバランスを取りながら、日々の飼育は続いていきます。
厳しい冬を越え、成長を重ねたひとのわ。
そして牧場には、新しい命とともに、また新たな季節が訪れようとしています。 次回は、いよいよ本格的な春の放牧に向けた準備や、さらに変化していくひとのわの様子をお届けできるかもしれません。



